
印刷した企業漫画のQRコードからの訪問をGA4で見分けるには、配布物や掲載位置ごとにUTM付きURLを用意し、その完成URLからQRコードを作ります。GA4で分かるのは、QRを読み込んでウェブサイトを開き、計測が動いたセッションやその後の行動です。QRコードの読み取り回数そのものとは一致しないため、「読み取り」「サイト訪問」「問い合わせ」などを分けて設計します。
QRコードの読み取り数とGA4の訪問数は別の数字
QRコードは紙からウェブへ移る入口です。GA4は、遷移先のページで計測タグが動いた後のアクセスやイベントを記録します。そのため、カメラで読み取った回数とGA4のセッション数が同じになるとは限りません。読み取り後にページを開かなかった場合や、計測が制限された場合などはGA4に記録されないことがあります。
| 確認したい数字 | 主な確認先 | 分かること |
|---|---|---|
| QRの読み取り・遷移 | QR発行・管理サービスを使う場合はその計測画面 | コードの読み取りや短縮URLへのアクセス。集計の定義はサービスごとに確認する |
| サイトのセッション | GA4の集客レポート | 計測が届いた訪問と、UTMで付けた流入元・媒体・キャンペーン |
| 問い合わせなどの行動 | GA4のイベント、フォームや営業の記録 | サイト訪問後に設定済みの行動が起きたか |
印刷漫画の効果を見るときは、これらを一つの「QR数」にまとめず、どの段階を比較するのか決めてください。GA4を使った漫画施策全般の指標は漫画広告の効果測定|GA4で追うKPIと分析手順で整理しています。
まず漫画のCTAと掲載位置を決めてからUTMを付ける
漫画の最後に置くQRコードは、読者に促す次の行動と結び付けます。「サービスの詳細を見る」「導入事例を読む」など、読み取った先で得られる情報を紙面でも伝えましょう。行き先が決まったら、同じキャンペーン内のどの配布物・位置を比較したいかを選びます。
例えば展示会で配る冊子の裏表紙と、ブースに置くチラシを比較するなら、遷移先を内容に合わせたうえで、UTMの値を媒体・施策・掲載位置の軸に分けます。配布場所ごとに差を見たい場合は、各場所用のコードを用意します。細かく分けすぎると一つ一つの訪問が少なくなり比較しにくくなるので、実際に判断したい単位にそろえるのがポイントです。
印刷漫画向けUTMの設計例
UTMはリンク先URLへキャンペーン情報を付ける方法です。Google Analyticsの公式ヘルプでは、手動タグ付けに使う項目として utm_source、utm_medium、utm_campaign などを説明しています。値は社内で命名ルールを決め、同じ意味に別表記を混ぜないようにします。
| 項目 | 役割 | 企業漫画での例 |
|---|---|---|
utm_source | どこからの流入か | exhibition(展示会) |
utm_medium | どの方法で届いたか | qr(QRコード) |
utm_campaign | どの施策か | corporate_manga_2026 |
utm_content | 同じ施策内のどの版・配置か | booklet_backcover、flyer_booth |
URLの例は次のとおりです。ドメインとページは実際の遷移先に置き換え、UTM付きの完成URLをQRコードへ変換します。
https://example.jp/service?utm_source=exhibition&utm_medium=qr&utm_campaign=corporate_manga_2026&utm_content=booklet_backcover 同じ漫画でも、最終コマと裏表紙の反応を分けたいなら utm_content の値を変えます。一方、複数の印刷物をひとまとまりの施策としてしか見ないなら、無理に細分化せず共通の値で管理します。大文字・小文字や単語の区切りも含め、URL作成表と印刷用データで同じ文字列を使ってください。
URLの作成にはGoogle AnalyticsのCampaign URL Builderを利用できます。個人名、メールアドレス、会員番号など、個人を特定できる情報をUTMへ入れないでください。値はリンク上に表示され、集計用のラベルとして共有されます。
入稿前に確認する5項目
- QRの遷移先:完成した紙面のコードをスマートフォンで読み、意図したページが開く。
- UTMの残存:リダイレクトや短縮URLを使う場合も、最終ページ到着時に必要なパラメータが残っている。GoogleはリダイレクトでUTMが失われる場合があると案内しています。
- ページの計測:遷移先でGA4の計測が動作し、RealtimeやDebugViewなどでテスト訪問を確認できる。
- 紙面での読み取り:印刷見本の実寸で、想定するスマートフォンやカメラから読み取れる。実際の照明や距離でも確かめる。
- CTAとの整合:漫画の案内文、QRの近くの説明、リンク先の内容が一致し、読み取った後の行動が分かる。
特に、QRコードを先に作り、あとからリンク先やUTMを変更する流れは避けます。印刷後にURLの修正が必要になったときは、既存の転送先がパラメータを保持するか、実機で再テストしてください。QRを含む納品仕様を整理する場合は企業漫画の納品データチェックリストも参考になります。
GA4では「どのQRか」と「訪問後に何をしたか」を見る
GA4の集客レポートやManual reportでは、UTMが正しく届いた場合に、Session manual source、Session manual medium、Session manual campaign name、Session manual source / mediumなどで流入を確認できます。漫画の紙面別に作った utm_content は、Session manual ad contentの切り分けに使えます。レポートに表示する項目はプロパティの設定によって異なるため、必要なディメンションと指標を確認してください。
比較では、まずQR別のセッションやエンゲージドセッションを見て、次に問い合わせ・資料請求など目的に近い設定済みのキーイベントを確認します。QRのクリックが多くても、フォーム完了や商談などの最終成果まで同じ割合で増えるとは限りません。イベントの定義と、営業・申込記録など実際の成果データは分けて扱いましょう。
UTMを付けても、GA4タグが遷移先で動かなければ訪問後のデータは集まりません。また、参照情報のないアクセスはdirect / noneになることがあり、転送先がUTMを取り除くケースもあります。紙面別の結果が想定どおり分かれないときは、集計を急ぐ前に最終URL、タグの動作、レポートのディメンションを点検します。
QRコードの設計メモ
| 管理項目 | 記入例 | 確認担当 |
|---|---|---|
| QR ID・掲載位置 | 冊子/最終コマ、裏表紙/QR-02 | 編集・制作担当 |
| 遷移先・完成URL | 読む人の次の疑問に答えるページ+UTM一式 | Web・計測担当 |
| 比較する行動 | セッション、資料請求イベント、問い合わせ完了 | マーケティング担当 |
| 入稿前テスト | 実寸・複数端末・リダイレクト後のURL・GA4記録 | 印刷・公開担当 |
展示会で漫画を使う場合のブース導線や会期後フォローは展示会で漫画を活用する方法、漫画の読後にどのCTAを置くかは漫画広告のCTA設計もあわせてご覧ください。
よくある質問
GA4でQRコードの読み取り回数をそのまま確認できますか?
GA4で主に確認するのは、UTM付きURLからサイトへ届き計測されたセッションやイベントです。カメラがコードを読み取っただけでサイトが開かなかった場合などは、GA4の訪問として記録されません。読み取り・短縮URLへのアクセス数が必要なら、その数字を提供するQR管理サービス等の定義を別途確認してください。
印刷物ごとにQRコードを分ける必要がありますか?
配布物や掲載位置ごとの結果を比較したい場合は、UTM値を分けたQRを用意します。全てを一つの施策として見るなら共通コードでも構いませんが、後から媒体別に分けることはできません。判断したい単位に合わせて、発行前に決めておきましょう。
UTM付きURLを作れば、GA4の設定は不要ですか?
いいえ。UTMは流入元などの情報をURLで渡すもので、サイト側のGA4計測タグやイベントを設置する機能ではありません。実際にデータを使う前に、遷移先の計測と必要なイベントをテストしてください。
まとめ
印刷漫画のQRをGA4で活用するには、漫画のCTAと遷移先を合わせ、比較したい配布物・掲載位置ごとにUTMを設計し、完成URLからQRコードを作ります。入稿前に実寸で読み取り、UTMの残存、GA4タグ、訪問後のイベントまで確認してください。QRの読み取り、ウェブ訪問、問い合わせは別の数字として扱うことが、紙面と導線を改善する出発点です。