
内定者フォローに採用漫画を使うなら、採用サイト用の会社紹介をそのまま送り直すのではなく、内定後に出てくる疑問を一つ選び、実際の仕事や制度を確認できる情報と一緒に伝えます。人事がテーマと公開範囲を決め、社員の具体的な経験を取材し、本人・人事・現場で事実を確認してから、内定者が必要なときに読める形で共有するのが基本です。漫画を使っただけで内定承諾や定着が変わるとは言い切れないため、候補者が判断に使える情報を正確に届けることから始めましょう。
採用サイトの漫画と内定後フォローは目的を分ける
採用サイトの漫画は、応募を検討する人に仕事内容や職場を知ってもらう入口として設計することが多くあります。一方、内定後に読む人は、入社後の仕事の進め方、配属後の相談先、入社前に準備することなど、より具体的な確認事項を持っているかもしれません。採用サイトの内容をそのまま再送するのではなく、「この段階で本人が判断・準備するために必要なこと」を問いとして書き出します。
漫画は募集条件や正式な手続きの代わりではありません。勤務地、勤務時間、給与、配属、提出物など変更や誤解の影響が大きい情報は、人事が管理する最新の正式資料や案内ページでも確認できるようにします。漫画の中で触れる場合は、説明と正式情報が食い違っていないかを公開前に照合してください。
最初に決めるのは「内定者のどの疑問に答えるか」
一度に会社の魅力、制度、仕事、研修、先輩紹介を詰め込むと、何を伝える作品なのかがぼやけます。人事や現場に届いた質問、説明会や面談で繰り返し出た疑問、入社案内で補足している内容から、今回扱うテーマを一つ選びます。質問を使うときは、個人が特定される情報を外し、本人の許可なく発言をそのまま作品にしないようにします。
| 内定後に確認したいテーマ | 漫画で見せる場面の例 | 別に確認してもらう情報 |
|---|---|---|
| 配属後の仕事 | 依頼を受け、チームで進め方を相談する一場面 | 職種・配属・業務範囲の正式な案内 |
| 相談やサポート | 困ったときに誰へ、どの手段で相談するか | 実際の窓口、利用時間、担当部署 |
| 入社初日の準備 | 出社してから最初に案内を受ける流れ | 集合場所、時刻、持ち物など最新の人事連絡 |
| チームでの働き方 | 情報共有やレビューが行われる具体的な場面 | 会社全体の制度と、取材した人の経験の区別 |
上の場面は構成を考えるための例です。実際に行われていない相談制度や配属後の出来事を、読みやすさのために作り足さないでください。自社で確認できる内容がないテーマは、漫画化する前に担当部署へ確認するか、別のテーマを選びます。
企画から共有までの5ステップ
- 対象と疑問を一つに絞る:新卒・中途など対象を決め、「入社前に何が分かると次の判断や準備に役立つか」を質問の形で書きます。複数職種で条件が違う場合は、共通の話と職種別の話を分けます。
- 使う事実と確認担当を決める:制度、手順、日程、数値などを載せる場合は、根拠となる社内資料や更新担当者を記録します。個人の体験談を全社員に共通するルールのように見せないため、誰が何を確認するかを先に決めます。
- 社員の経験を取材する:「入社後の一日は?」のような広い質問だけでなく、具体的な場面、本人の行動、周囲とのやり取り、確認できる資料を聞きます。取材方法や質問の整理には採用マンガの取材質問リストも参考になります。
- 疑問から次の行動までを構成する:「内定者の疑問 → 実際の場面 → 社員の行動や相談先 → 正式情報・問い合わせ先」の流れでラフを作ります。読み終えた後に必要な案内があるなら、リンク先と担当窓口を明記します。
- 公開範囲に合わせて確認・配信する:脚本やネームの段階で本人、現場、人事が確認し、作画後に文字・条件・リンクも再確認します。メール、採用ポータル、説明会資料などのどこから読めるかを決め、古い案内が残らないよう更新担当も記録します。
短いストーリーのたたき台
たとえば「困ったときの相談先」を扱う場合、次のような順序で場面を並べられます。これは構成例であり、具体的な社員や制度を描く際は、実際の社内運用に置き換えて確認してください。
- 疑問:初めて担当する作業で、どこまで自分で進めてよいか迷う。
- 場面:社員が手順書や依頼内容を確認し、判断に必要な点を整理する。
- 行動:実際の相談窓口やチーム内の手順に沿って確認する。
- 次の案内:読者が該当する正式資料や担当者へ進めるリンクを示す。
ストーリーをドラマチックにするために、相談したら必ず解決する、すぐに返信が来る、どの部署でも同じ対応になる、といった約束を加えないようにします。読者が知りたいのは、実際の選択肢と確認先です。運用に例外がある場合は、漫画だけで断定せず、条件を説明するテキストを添えてください。
配信では「読ませる」より必要なときに確認できる状態を作る
内定者の状況や連絡の受け取り方は一人ひとり異なります。配信日や頻度を人事の都合だけで決めず、すでに送っている案内や面談予定と重ならないかを確認します。読了や返信を過度に求めず、必要な情報へ戻れる場所として案内する方法も検討できます。
- 送信時に「何が分かる資料か」「読むのに必要な目安」「正式情報のリンク」を短く添える。
- 入社前の課題や回答を求める場合は、目的、期限、問い合わせ先を明記し、漫画の閲覧だけを必須条件にしない。
- 家族にも共有してよい資料にする場合は、共有可能な範囲を人事が確認し、候補者本人に任意の選択肢として案内する。
- 公開終了日や制度変更時の更新担当を決め、古い画像やリンクが残っていないか定期的に確認する。
閲覧状況を測る場合でも、個人を特定する情報を解析ツールへ送らない設計が必要です。Google アナリティクスを使う際は、氏名・メールアドレスなどをイベントパラメータやURLに含めないよう、Google アナリティクスの個人情報に関する案内を確認してください。採用ファネルの指標を扱う場合は、漫画広告の効果測定にある記録元の分け方も参照できます。
公開前の確認チェックリスト
- 対象者と、今回答える疑問が一つに定まっている。
- 勤務条件、制度、手続き、連絡先が最新の正式情報と一致している。
- 社員の経験談を本人が確認し、個人の経験と会社共通の制度を区別している。
- 氏名、顔、発言、社内情報、公開先、再利用範囲について必要な確認を行っている。
- 内定者の質問を使う場合、本人が特定される情報や許可のない発言を含めていない。
- 漫画以外にも正式情報へ移動するリンクや問い合わせ先がある。
- スマートフォンで文字・読順・リンクを確認し、画像が見えない場合にも要点が分かる。
- 配信先、更新担当、公開期限、古い版を差し替える手順が決まっている。
採用漫画の目的、取材、構成、公開後の確認を一つのチェック表にまとめると、関係者間で確認漏れを見つけやすくなります。応募前のページ構成は採用サイトに漫画を載せる構成で、採用施策の計測は漫画広告の効果測定で詳しく紹介しています。
よくある質問
内定者フォローの漫画を送れば、内定辞退を防げますか?
漫画を送るだけで辞退を防げるとは言えません。本人が確認したい情報に答えているか、正式な案内と矛盾していないか、質問できる窓口が分かるかを点検します。成果を評価する場合も、採用条件や連絡方法など他の要因を分け、漫画だけの効果と断定しないようにします。
採用サイトに掲載した漫画を、そのまま内定者へ共有できますか?
共有すること自体はできますが、対象者と目的に合う内容かを確認してください。応募前の会社紹介だけでは内定後の疑問に答えられない場合があります。募集条件や制度が変わっていないか、リンク先が現在も正しいかも再確認します。
内定者本人の質問をストーリーに使ってもよいですか?
個人が分かる形で使わず、テーマとして扱う場合も質問の内容や公開範囲を社内で確認してください。本人の発言を引用・脚色する場合は、利用目的を説明したうえで必要な確認を取り、架空のセリフを本人の発言のように見せないようにします。
Narravの採用マンガ制作
採用サイト、社員取材、内定後の案内で伝える内容を整理し、漫画の企画や制作を検討する場合は、Narravのマンガ×マーケティングサービスをご覧ください。採用漫画は、読みやすさだけでなく、事実確認や公開後の更新方法まで含めて設計することが大切です。