
社内報に漫画を載せるときは、作画の前に「誰に、何を伝え、読後に何をしてほしいか」を一つずつ決めます。伝える内容を絞り、実際の業務や社員の声を確認してからストーリーにすると、社内報の目的と漫画の内容がずれにくくなります。
最初に「漫画を載せる目的」を一つ決める
「社内報を読んでもらいたい」だけでは、どんな漫画を作るべきか判断しづらいものです。まず、今回の企画で変えたい理解や行動を具体化します。たとえば、他部署の仕事を知ってもらう、新しい社内制度の利用手順を案内する、会社の方針が決まった背景を共有する、といった形です。
漫画は、人物の会話や出来事の順序を見せたいテーマと相性があります。一方、正確な数値一覧、詳細な規程、条件が頻繁に変わる情報は、漫画だけに詰め込まず、最新の文書や社内ページへの案内を組み合わせます。漫画だけですべて理解してもらえる、読まれれば必ず行動が変わる、と決めつけないことも大切です。
企画メモに入れる6つの項目
担当者、取材相手、確認者が同じゴールを見られるよう、制作を依頼する前に次の項目を一枚にまとめます。
- 読者:全社員、新入社員、特定の部署など、誰に向けるか。
- 伝えるテーマ:今回の漫画で扱う話題を一つに絞る。
- 読後の状態:何を知る、確認する、相談するなど、期待する次の行動。
- 実際の場面:読者が出会いそうな困りごとや判断の分かれ目。
- 確認できる根拠:制度文書、担当部署、取材メモなど、事実を確認する相手と資料。
- 掲載場所と振り返り:紙、社内ポータルなどの掲載先と、反応を確認する方法。
企画の軸は「伝えたい情報を全部入れる」ことではなく、読者がそのテーマを理解するうえで必要な情報を選ぶことです。複数の制度や部署を一度に紹介したくなったら、連載に分けるか、漫画と補足資料の役割を分けられないか検討します。
ストーリーは「場面・気づき・次の行動」で組み立てる
短い社内報マンガなら、たとえば次の流れで骨子を作れます。これは一例で、テーマや媒体に合わせて調整してください。
- 場面:読者が経験しそうな仕事上の状況を見せる。
- 疑問:登場人物がつまずく点や、誤解しやすい点を示す。
- 対話・気づき:関係者との会話や具体例を通じて、必要な情報を伝える。
- 次の行動:問い合わせ先、手順書、相談窓口など、読後に確認する先を示す。
登場人物に正解を一方的に説明させるより、読者が持ちそうな疑問を会話にするほうが、どこで理解が止まりやすいかを整理できます。ただし、実在の社員をモデルにする場合は、本人の意図や発言を歪めていないかを確認し、公開範囲や表現について社内手続きを踏みます。
取材・事実確認・公開範囲を先に決める
社内情報は、社外向けの広告とは異なる確認が必要です。制度名、申請条件、担当部署、運用開始日などの事実を、内容を所管する部署に確認します。人物名、顔、具体的な案件、顧客情報、未公開の数値が含まれる場合は、必要性と公開範囲を個別に確認し、漫画に載せる情報を最小限にします。
- 制度や業務手順の最終確認者を決める。
- 取材した社員に、発言の要旨や人物描写を確認してもらう。
- 社外秘、顧客情報、個人情報が含まれていないか確認する。
- イントラ限定か、社内報の社外公開版にも載せるかを分ける。
- 漫画の利用範囲、掲載期間、二次利用の条件を記録する。
利用媒体や二次利用の整理には、企業マンガの利用範囲チェックリストも参考になります。研修や業務手順の説明がテーマなら、研修漫画のシナリオ設計や漫画マニュアルの更新方法と役割を分けると、社内報に載せる内容を絞りやすくなります。
掲載後は目的に合った反応を振り返る
漫画の掲載後に何を見ればよいかは、企画の目的によって異なります。社内ポータルならページ閲覧や関連リンクの利用、制度案内なら手順ページへの遷移や問い合わせ内容、理解促進なら短いアンケートや説明会で出た質問などが候補です。紙媒体の場合は、閲覧数を正確に測れないこともあるため、編集部への反応や次号のアンケートなど、取得できる範囲の指標を選びます。
掲載前に基準となる状況と確認時期を決め、掲載後の反応を記録します。閲覧数が増えたことだけで理解や行動の変化まで断定せず、指標が取得できない場合は「未測定」とします。個人別の閲覧履歴を集める必要があるかも検討し、まずは部署単位の集計や匿名の回答など、目的に必要な範囲で扱います。
そのまま使える社内報マンガの企画メモ
- 企画名:( )
- 主な読者:( )
- 伝えるテーマを一文で:( )
- 読者が困る場面・疑問:( )
- 読後に知ってほしい/してほしいこと:( )
- 事実確認の担当部署・資料:( )
- 掲載先・公開範囲:( )
- 掲載後に見る反応・確認日:( )
このメモを埋めた段階で、伝えるテーマが複数ある、事実を確認する担当が決まらない、社外秘の情報を分けられない場合は、作画に進む前に企画を整理します。公開媒体に合わせた読順やテキストの補足は、Webマンガのアクセシビリティ確認項目もあわせてご覧ください。
よくある質問
社内報マンガは何コマにすればよいですか?
一律の適正コマ数はありません。読者に伝えるテーマ、掲載スペース、読む環境に合わせて、必要な場面だけで構成します。まず企画メモで内容を絞り、媒体に合わせて制作担当者と調整してください。
社員を実名や似顔絵で登場させてもよいですか?
掲載先や社内ルール、本人の同意、社外公開の有無を確認してから判断します。特定につながる情報を使う必要がなければ、役割名にする、設定を組み合わせて個人が分からない表現にするなどの方法もあります。
掲載後の効果はどう測ればよいですか?
「何を伝える企画だったか」に合わせて、閲覧、関連ページへの移動、質問、理解度の確認などから指標を選びます。測れない場合は推測で埋めず、次回企画のための記録やヒアリングを行います。
社内報で伝えたいテーマや読者が決まったら、企画メモをもとに必要な情報と確認者を整理してから制作方法を検討しましょう。漫画制作サービスでは、用途や掲載先に合わせた相談ができます。